Alternative title:病院と治療法の選択について
こんにちは、cocoです。
今日は少し本題からはずれて、治療を行う病院選びや治療方法選択について少しお話したいと思います。
診断結果を伝えられてすぐ、私は母にも乳がんであった旨を伝えました。母はとてもうろたえつつも、その後手あたり次第がん治療についての情報をかき集めてくれました。
母の行動は二つでした。
・乳がん手術件数が多い病院を探す。
・乳房切除をしないための治療法を探す。
ます一つ目の乳がん手術件数が多い病院を探すですが、私が在住している関東圏で乳がん手術件数が多い病院は下記の病院です(※)。
・がん研有明病院
※参照元:
しかし、どこも私の住んでいるところからは遠く1時間以上かかるため、定期的に化学療法を受けるうえでは、私としては望ましくありませんでした。
また、私の手術を担当するであろう先生の評判を夫が調べたところ、割と評価が高かったのもあり、私は病院を他へ変更するという気になりませんでした。そのため、私はそのまま近場の病院(タクシーで15分程度)で化学療法から手術まで行うことを決断しました。
母は何度ももっと手術件数がある有名なところのほうが安心ではないかと説得しようとしておりましたが、化学療法や手術を終えてみて、私の判断は間違っていなかったと思います。
なぜなら、個人差がありますが、私が受けた化学療法(EC療法)後は気持ちがとても悪くなります。私は吐き気がひどかったです。
そのため、1時間もかかる距離を電車やバスで通うのはとても無理でした。いつも化学療法後はタクシーでぐったりしながら家に帰るのが常でした。
また、妊孕性温存のために、バスと電車をのりついで1時間以上かけて妊孕性温存で有名な病院に通いましたが、本当に本当に大変でした。しかも化学療法は数時間もかかるのですから、1日のほとんどを通院と化学療法に費やすことになるのです。。
以上を踏まえると、私としては近場の病院に信頼できる先生がいるのならば、あえて症例数が多い遠くの病院にまで通う選択をするのは逆に疲労と交通費を蓄積させるだけと思います。
あくまで私の一個人の意見なので、決めるのはあなた自身ですが。
次に、乳房を切除しない治療法についてです。
ステージがⅢaの私の癌の標準治療は乳房切除で、先生から手術では、乳房切除をしますとも伝えられておりました。
しかし、母は乳房切除をするというのをどうしても避けてあげたかったようで、切除しない方法をネットや本で探してくれました。しかし、その方法はどれも医学的に確立された方法ではなく、まだ臨床実験中のものばかりで、標準治療ではありませんでした。
母の気持ちはとてもありがたく思いつつ、やはり標準治療が一番の筋道と考えている私と夫は母に標準治療を進める旨を伝えました。
しかし、母はあきらめきれていなかったようで、その足で本を書いた先生ところや、有名な病院にセカンドオピニオンを聞きに行きました。そこで、どこの病院でも、まだ標準治療になっていないものはリスクがあるため標準治療を選べるなら、その選択が一番であるといわれたようです。
そのため、結局は標準治療で乳房切除することを納得したようでした。(命が一番という考えのもと)
以上のことから、標準治療を選択するのが王道、つまり医学的に検証されて現時点で一番効果があると立証されているものを選択するのが一番であり、どうしても納得いかない場合にリスクをとってほかの方法を選択肢にあげるという考え方が一般的なのかなと思います。
私は自分の命が一番であり、乳房再建という手段も今後あるので、標準治療を選びました。
自分の中で何を優先するのかは人それぞれですので、結局は納得いくまでお話をきいて治療法を選択するのが一番かと思います。(誰かの責任にすることなく、後悔も一番少ないかと)
長くなりましたが、今回のお話のポイントは2つ。
・遠くの有名病院に通うのは信頼できる点やサポート面でメリットも多くあるが、一方、通院疲労と交通費という点ではデメリットもある
・治療法は標準治療が王道。しかし、自分の中で何を優先したいかで治療法を選択してもよい
次回はEpisode3として妊孕性について詳しくお話したいと思います。
それでは!
Episode2:乳がんのサブタイプと妊孕性温存
こんにちは、cocoです。
今日は私の乳がんのタイプと妊孕性温存のお話です。
1週間後に私は設備の整った大病院で乳がんの精密検査を受けました。
具体的には、組織診、マンモグラフィ、エコー検査、CT、MRIです。
検査の結果をさらに1週間ち、病院で診断結果を通達されました。
私の癌のステージはⅢaでサブタイプはトリプルネガティブでした。
ステージⅢa、がんの大きさは7cm程度でわきの下にリンパ節転移がある状態です。
トリプルネガティブはホルモン治療、放射線治療も効かないので、薬物療法となります。
治療計画は術前薬物療法でdose-dense(ドーズデンス)EC+DOC療法をしたのち、手術で乳房を全摘出し、病理検査ののち術後の治療計画をするといわれました。
dose-denseとは化学療法の投与間隔を短縮する方法です。
通常は3週間に1度化学療法を取るようですが、dose-denseは2週間に1度化学療法を行います。dose-denseは臨床試験の結果、再発率低下/死亡率低下が示されており、乳癌診療ガイドラインでも推奨されている療法のようです。
診断結果を伝えられると同時に、ステージがⅢaであり今すぐにでも化学療法をしたほうがいいと伝えられました。
※ステージやサブタイプ(乳がんの性質)に関する詳しい説明は国立がん研究センターの冊子を参照ください↓
https://ganjoho.jp/data/public/qa_links/brochure/odjrh3000000ul0q-att/144.pdf
それと同時に妊孕性(にんようせい)の温存の話も受けました。
妊孕性とは、「妊娠するための力」です。
妊孕性を温存するとは、「妊娠するための力を保つこと」です
妊孕性温存のお話がなぜ出るかというと、化学療法を行うと多くの場合、生理が止まるからです。化学療法を終えてから生理が戻る可能性は若ければ若いほど高いのですが、中には戻らず閉経する可能性もあるのです。そのため、化学療法を始める前に、将来出産を希望する人には、万一閉経した場合の手段として、妊孕性温存のお話が出るわけです。
今すぐにでも化学療法を始めたほうがいいといわれつつも、私たち夫婦にはいまだ子供がおらず、本来はその年に妊活を行う予定でした。そのため、妊孕性温存は非常に重要なお話でした。しかし、妊孕性温存をその病院では行っていないため、詳しい妊孕性温存のお話を聞くことができず、妊孕性温存を選択すべきかどうかがわからない状況でした。
そのため、いったん妊孕性温存のお話をきくべく、紹介状をかいていただき、妊孕性温存のスペシャリストがいるという病院に行くことにしました。
次回は妊孕性温存について詳しくお話できたらと思います!
Episode1:乳がん発覚
こんにちは、cocoです。
本日は乳がんが発覚するまでのお話です。
14人に1人はなるといわれている乳がんですが、乳がん罹患率は40歳台後半から50歳台前半でピークになります。さらにAYA世代と呼ばれる15~39歳までに乳がんとなるのはがん患者全体からみると約5%の割合と言われています。
そんな中、まさか30代前半で私が乳がんになるなんて思ってもいませんでした。
発覚はお風呂でふと胸を触ってみたのがきっかけです。
左乳房の上側に消しゴムくらいの硬さで5~6cm程度のしこりがありました。右乳房にはそんな硬いしこりはなく、なんだろ?と思い、お風呂からでて、「なんか胸に硬いしこりみたいのあった~」と雑談程度に夫へ話しました。
すると夫も触りたいとなり、触ると、「硬いね、一応検査いったら?」と言われましたが、私は検査に行くほどのことでもなくない?としこりを軽くとらえてました。
なぜなら、私は毎年人間ドックにいっており、そこで乳がんなんて言われたことがなかったので、まさか急に乳がんになっているなんてその時は考えてもなかったのです。ただ、毎年いっていた人間ドックですが、例年診断結果に悪いところもなかった私は毎年受ける必要ないかと、その年は受けていませんでした。
その時は、仕事も土日出勤するくらい忙しく、「検査に行ってる暇もないし面倒だから行かない」と断ったのですが、再度夫から「人間ドックも今年いかないなら念のため行っときなよ」という後押しもあり、「じゃぁ夫が近所でいい病院を探してくれるなら行くよ」と適当に返しました。
この時、夫が病院で検査をする提案と段取りを進めてくれなければ、私は乳がんに気づくことはなかったし、次の年で受診した人間ドックで発覚した時には末期になっていたと思います(検査時の段階でステージⅢa)。そう思うと、本当に夫には感謝しかありません。
夫は次の日にすぐ近くにある有名な乳腺専門のクリニックを探してくれました。私は予約をいれて、在宅ワークできる日にそこに検査に行きました。
一応、検査前に”乳房 しこり”と検索はしており、乳房のしこりのほとんどは良性と書かれている記事がいくつかトップにあったし、まだ30代前半だしで、私も夫も乳がんなんてことないよね、この時は高をくくってました。
検査に行くと、まずマンモグラフィを取られました。
そして、診断室に呼ばれ、マンモグラフィの画像を見せてもらったのですが、私は高濃度乳房(乳腺組織が多い乳房)であり、マンモグラフィだと高濃度乳房の人の異常が見つけづらいといわれ、超音波検査もすることになりました。
先生が超音波検査をすると、「すごい深いところまでしこりがあるね...結構大きいな」と少し深刻気味にいわれ、画像を一緒に見せてもらいました。
それはもう黒く大きなしこりが、画像に写されており、私は一気に不安になりました。
どうなるんだろうと一瞬思っていると、「良性か悪性かを検査するため、細胞をとるね」と急に先生に言われ、「えっ、今!?なにするの?怖い」と思いつつ、有無を言わせない感じだったので、「はい」と答えました。
するととても細い注射針で超音波で場所を確認しつつ、細胞がとられました(細胞診)。
特にすごい痛いわけでもなく、一瞬で終わりました。
そして、服を着なおして椅子に座ると、乳がんの可能性があることと、一週間後に検査結果がでるので、また来てくださいということを伝えられました。
有名な乳腺専門の先生から乳がんの可能性があるといわれ、ほとんどないと思っていた乳がんの可能性が私の中で高くなり、とてもとても不安になりました。
それから一週間は憂鬱でした。夫は大丈夫だよ!と言っていましたが、あの大きな黒いしこり、深刻そうな先生の声色が頭から離れませんでした。
そして一週間後、結果がでたので再度クリニックに伺うと、先生にこういわれました。
「悪性です。クラスVです」と。
(明確に乳がんとは言われなかったのですが...まぁ乳がんということです。)
この時、私はクラスとステージの違いもわかっていなかったので、一気に青ざめました。もう手遅れ?と。しかし、ステージ等を把握するためにはもっと設備が整った大きな病院に行って検査する必要があるといわれ、すぐさま大病院を紹介され、紹介状をいただきました。
(参考)クラスとステージの違いについて
その紹介状を片手に落ち込みながら家に帰り、夫に報告したのち、すぐさま紹介を受けた病院へ電話をし受診の予約をしました。
すると、その紹介状の先生に診てもらえるのは一週間後になります、違う先生ならもっと早く見れますが...といわれ、私は少しパニックになり、どうしたらいいか判断に困りました。がんの進行具合がどうかもわからないし、ただがんと診断された大きなしこりがある状態で今後どうなるかもわからない宙ぶらりんな状態で、ただただ早く診てもらいたいという思いだけが先走っていながらも、紹介状以外の先生に診てもらって安心できるのだろうかと迷う気持ちもありました。
割とこういうとき夫は冷静で、紹介状の先生の情報を調べ、その先生は病院の乳腺外科のトップであり、1番の手術件数をもっているから、1週間待って実績もあり信頼がおける先生に診てもらったほうがいいと思うと言ってくれました。
私は不安を抱えながら一週間まつことにしました。
その判断は今では間違ってなかったと胸を張って言えます。
今日はここまでです。
本日の体験記事を通じてお伝えしたいことは、2つ!
・まだ若くてもマンモグラフィと超音波(エコー)検査は定期的にしたほうがいい
・しこりを見つけたら、大丈夫と思わずきちんと検査を受けるべき
AYA世代で乳がんになる人なんて数%しかいないし、私がなるはずないなんて考えは甘すぎます。実際その数%に入ることだってあり得るのです。
(私も某あひるのがんCMをみて、まぁ私ががんになるなんてないよな~と思ってました...!)
異常をみつけたらすぐ検査しましょう。
がんは見つかるのが早いほど、生存率が上がります!!
Episode0:はじめに
こんにちは。cocoと申します。
コロナで世の中が騒然となっている2020年5月に、私は乳がん(ステージⅢa/トリプルネガティブ)と診断されました。
30代前半で将来のキャリアを描きながら、ひたむきに働いていたときのことです。
現在は抗がん剤治療から手術まで終えており、術後の抗ガン剤治療中の身です。
そんな私がブログを始めたのは、下記2つの思いからでした。
・乳がん発覚から手術までの体験やその時の感情を忘れないよう記録しておきたい
・同じ乳がんの方に何か少しでもお役に立つ情報があれば共有したい
これから少しずつですが、乳がん発覚から術前抗がん剤治療、手術、そして現在までの闘病談を記していきたいと考えております。
特に発生するAYA世代(15~39歳)のがんの方に有益な情報になったら幸いです。
●AYA世代のがんとは